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  • 2011.07.06 Wednesday
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『君と見る千の夢』


いやはや、文にするのは難しい。
私にとって色あせない舞台なんですけど、やっぱり細かいところが覚えていなくて・・・
観劇しているときは、ひとつひとつしっかり観て、感動して、笑って・・・ってな具合で観ていたのですがね。
レポを書ける人、本当に尊敬します。

というわけで、私の覚えている全てを書いてみました。
非常にぐっちゃぐちゃの長いレポ?もどきです。


期待しないで読んでくださいね。
台詞やもしかしたら物語の順番も違うかもしれません。
観劇した方は是非ニュアンスで受け取っていただけると嬉しいです・・・・・。



5月6日19時公演

『君と見る千の夢』


完全ネタバレですのでご注意を!!!!!! 



注!!!!!本当に本当に長いです。PCでの閲覧をオススメします・・・。
 

舞台の構造は、少し変わったもの。
正面は凸のような不思議なかたちで、凸部分を囲んで客席がある感じ。
(詳しくはグローブ座HPを見てね)

ステージの後ろには扉があり(前後可動式)で、ステージの後ろは階段が左右にあり、
階段でのシーンは神秘的な・・・そんなイメージ。

キャストの皆さんと相関図的なもの

池辺春也(まーくん)
小野美智子(上原美佐さん):愛称 みっちゃん 春也恋人
池辺善二(田山涼成さん):春也父
池辺花(保可南さん):春也妹
柳竜太郎(越村友一さん):愛称 竜ちゃん 春也幼馴染
森永大輔(大沼遼平さん):愛称 大ちゃん 春也幼馴染・看護士
加茂川律子(藤田朋子さん):婦長
山本則史(相島一之さん):院長


     


暗転し、衝撃的な事故の音で幕開け。
本当に真っ暗で、何も見えずとにかく迫力ある"音"が怖かった。

明転し、救急車のサイレンの音。そして、重態患者がベットに寝ている。
(ここで、看護士役の藤田朋子さんの演技に圧倒される。声量だったり、一気に舞台そのものを引き締めていた。)

暫く処置の緊迫した空気が流れ・・・
春也が「オレいったい・・・」と状況も分からず処置室に入ってくる。
春也が何を言っても、話しかけても、周りの空気が変わらない。
春也がだんだんとおかしいなと状況を掴んでくる。
(状況が分からず、処置をしている幼馴染の大ちゃんに声を掛けたり、駆けつけた花ちゃんや竜ちゃんに話しかけたり、ちょっぴりコミカルな演技が面白くて、でも怖くて・・切ない・・)


激しい頭痛・・・・周りの時間が止まり、スポットは春也のみに当たる。

「えっこのベットの患者・・・・この手・・・・この足・・・・・この顔・・・・・・・・俺じゃん・・・・」

何があったのか?思い出せない。そして、自分の横には誰か居たような・・・





暗転し、春也は階段へ。
ここで主に回想シーンを語ります。生と死の挟間・・・?

時々来る激しい頭痛。そして思い出そう思い出そうとする姿。体の震え。
(この辺りのまーくんの演技は本当に素晴らしくて。とくに体を震わせて思い出そうとする場面は鳥肌もの。)

自分の記憶を思い出そうと、記憶を映像を見るかのようにリモコン操作するような演出。
そこで、処置室での演技を巻き戻ししていたのがすごかった。

巻き戻しをしながら徐々に思い出してくる記憶。
肝心な部分は思い出せない。そんな中、先生と看護士だけの会話。
春也は重症・・・
そんな会話を現実逃避するかのように『ラジオ体操』をする春也。
緊迫している会場の空気を替え、和らげるまーくんの演技。

そして、病室には誰も居なくなり・・・みっちゃんが扉を開けて入ってくる。

「春也ごめんなさい。私があんな事故を起こしてしまって・・」
「みっちゃん、良かった。さっきまで一緒だったし、心配したんだよ。」
「だめよ春也!戻ってきて、お願い」
「みっちゃん」

交じり合わない2人の会話・・・・・。

「ねぇ、春也。覚えてる?私たち初めてあった日のこと」
「覚えてるよみっちゃん。最初にあった日・・・・怒らないで聞いてね。本当は変な人だと思ったんだ・・」

初めて会った日・・・この言葉を頼りに春也は自分の家族、家のことを思い出しながら語りだす。


ステージには春也の実家、下駄屋が舞台に。
春也の父が下駄を作る作業をしている。

そこに幼馴染の大ちゃん、竜ちゃん、花ちゃんが舞台の上手から客席の合い間会話しながらステージに向かってくる。買い物の帰り道。
本当に道のような演出。これぞ舞台!ステージにだけに止まらず、素敵な構成。
終始ふざけている3人。
そこに春也が登場。
(この時、ベージュのカットソーに紺のエプロンがとっても素敵。)

春也は手に自分で作った下駄を持っています。
花ちゃんが「お兄ちゃん作ったの?お父さんに見せなきゃ」

「いいんだよ・・これは」

花ちゃんが気を使い、大ちゃん、竜ちゃんを連れて春也と父を2人にします。

「これ作ったんだけど・・・見てください」

「・・・・・・・・」
父は無言のまま、その場を立ち去ってしまう。

「・・・・・」
春也はため息をつきながら、店番を。
そこに、

「あったー古い下駄屋さん。本の通り!」

「いらっしゃいませ」

店内には下駄、草履、突っ掛けが並ぶ。

「これが、下駄ですか!」
「それは、草履です」

「そうですよね!じゃぁ、これが下駄!」
「それは、突っ掛けです」

「あ、じゃあ、これは草履」
「いや、それが下駄です。」

会場に大きな笑い。そんな2人のやり取りはとっても雰囲気があります。

「下駄を探しているんですか?」
「はい、えっとメモが・・・・あっ!履きやすい下駄を探しているんです。」
みちゃんの手帳にはメモが(付箋のようなもの)がぎっしり。

じゃあ、探しましょう。春也のおすすめ商品を見ながら会話をしていきます。
春也が言う一句一句に対して、メモをとる変な客。
そんな中、春也が作った下駄を見つけ、手に取る客。

「これ、なんかとっても素敵ですね。」
「あっ!それは売り物ではないんです。僕が作ったもので・・」

「でも、とっても素敵。なんかこう・・・下駄になるぞっって言ってる感じ。」
「あー・・・・」

「これにします。おいくらですか?」
「いやっ本当売れません・・・じゃあ、あげます。」

「えっそんな」
「ただすぐメンテナンスが必要になると思うので、また持ってきてください。」ようやく、ここで打ち解け自己紹介しあう二人。
3枚の名刺を渡すみちゃん。
・・・ホームレスのボランティアじゃなくて・・・政治のじゃなくて・・・介護福祉士です!
人の役に立つ仕事がしたいと語る、みっちゃん。

店の番号を渡す春也。

「じゃあ、また」

これが2人の初めての出会い。


暗転し再び病室のシーン。

婦長と看護士である幼馴染の大ちゃんが会話をしている。
なにげない、夫婦の倦怠期の話・・・
そこに院長が入ってくる。
「倦怠期かぁ。懐かしいな。夫婦は幸せ期、倦怠期、空気・・・そして気付きと変わってくもの。」
「気付き?」
「人は失ってからじゃないと気付けないってことかな」

この流れから、春也の母も一年前に病気でなくし、父は酒におぼれるように・・・これで春也も万が一のことがあると・・・・・
春也の容態は脳に血の塊ができている・・・



下駄屋でのシーン。
商店街の祭りに向けて、太鼓の練習をする春也、花ちゃん、大ちゃん、竜ちゃん。
幼馴染ならではの会話がとても場を和ます。
花ちゃんは将来東京で"美人秘書"をやるのが夢。
その夢を素直に応援できない、大ちゃん。花のことが好き。

そんな中、顔見知りになっていたみっちゃんが鼻緒の切れた下駄を持ってくる。
その下駄を父に見つかってしまう。

「春也、売ったのか」
「違います、私が無理に言って頂いたんです。」
「こんなもの全然ダメだ」

また、父はそのまま話をせず仕事に戻ってしまう。
「ごめん。直すね。」

花ちゃん達の気遣いもあり、店の中に案内することに。
みっちゃんを囲んで、話す春也以外の4人。
商店街の祭りで太鼓をやるという話をしながら、春也は一番センスがいい。
昔・・・ピアノで留学していた話をしようとすると邪魔に入る春也。

笑いながらも少し疑問を感じているみっちゃん。


祭りの前、公園で話す春也とみっちゃん。
みっちゃんのホームレス支援ボランティアの手伝いを。
みっちゃんは紙袋、春也はペットボトルのお茶を20個並べることに。

みっちゃんから「競争しよ」
春也も笑顔で「いいよ」

『1・2・3・4・・・・・・・・・・・・18・・・・19・20』

2人で様子を見ながら、無邪気に笑いあいながら競争。
グンと2人の距離が縮まるいいシーン。

ホームレスが再就職できるようにグッツを不定期にプレゼントしている話を聞く春也。
みっちゃんがこのセットによって再就職できた人がいるんだよ。と嬉しそうに話す。

「みっちゃんの夢って何?」
「私の夢は・・」(手帳のメモを探し・・)「政治家になる!」
他にもいっぱい。人を幸せにすることが私の夢。

「すごいな・・・すごい妄想」
「バカにした?」
「してないよ。たくさん夢があるんだね。」

みっちゃんの昔の話。みっちゃんの父は政治家だった。それに理想主義者。
マッチ売りの少女の話を聞いたときに、少女が夜出歩いたり、マッチを売ったり、保護しないのも児童福祉法違反だって、その国はダメだ。なんて言ってた。

そんな話を聞いて春也は爆笑する。

「お母さんは?」

母の話になると曇るみっちゃん。家族を捨てて、男と家を出た。そんな人には会いたくない。

「ねえ、春也の夢は?実家に戻ってくる前は何をしていたの?」

動揺する春也。夢って良く分からない。
過去もなんだか誤魔化してしっかり言わない。
おもちゃ売ってた・・・嘘、ゴーストライターで才能なかった。
それも嘘・・・実は刑務所にいたんだ・・・・

「何したの?」
少し不安そうな顔を見せるみっちゃんだけど、

「もういい。何でもいい。春也が春也なら・・・」


暗転


階段の上で語る春也。

「みっちゃん、僕はその言葉でどんなに救われたことか。とても嬉しかった。」

激しい頭痛。ピアノの音・・・・・
頭を抱えて苦しむ春也・・・・「ラフマニノフ・・・・」

病室で『音楽療法』ってあると思う。春也ならなおさら・・・
と花ちゃん、大ちゃんが話している。

「余計なことを・・・」頭を抱え苦しむ春也。


下駄屋

春也の母のエプロンを着けたみっちゃん。
それを見て嬉しそうに微笑む花ちゃん。
「みっちゃんが気を使っていっぱい家に来てくれるでしょ?そのお陰でね、お兄ちゃんとお父さん変わったの。最近ねご飯のあと2人でお茶飲みながらお互いを気にしたりしてるのよ。
本当にありがとうね。」

父が帰宅し、花ちゃんがみっちゃんを紹介する。
「お兄ちゃんの彼女」
「不束ものですが、精一杯努めさせていただきます。」

父が黙り込み・・・みっちゃんの仕事について触れる。
「介護福祉士なんだって?よくそんなこと・・・」
「死と向かい合っている老人は純粋。そして、わがままで欲望全開でぶつかってくる。そんな老人と向かい合うことが大切だって・・・」
「あいつ(春也)には合わない・・・」

父は立ち去り、呆然とするみっちゃん。
花ちゃんが、「今のはね、お兄ちゃんのことは認めていないが、あんたのことは気に入ったって意味よ。」
「認める?」
「お兄ちゃんがピアノ止めて帰ってきた事を許してないの。」
「ピアノ?」
「やっぱり!聞いてなかったんだ。お兄ちゃんすごかったの。町ではちょっとした有名人だったの。」

スクラップブックを持ってきて、みっちゃんに見せる。
数々の賞。経歴・・・・。


 

公園にやってくる春也とみっちゃん。

春也にこの間聞いたピアノの事を切り出す。

動揺する春也。誤魔化すように、やりたい音楽が出来なくなってきたし、所詮金なんだよ。

下駄屋を継ぐんだ。商店街に活気を出したい。


「本当にもういいの?」

「・・・いいんだよ!!」

声を荒げる春也。呆然としてしまうみっちゃん。


「俺にはみっちゃんがいる。ねえ、俺が下駄屋を継いだらみっちゃんはおかみさんだね・。」

「うん、それもいいね!」

不安を隠すよう笑顔で答えるみっちゃん。


話題を変えるように話し出す春也。

「旅行いこうよ。今度二人で。」

「旅行?」


旅行について、楽しい未来に思いを巡らす二人。

神保町のカレー・野菜市・漫画喫茶でジョジョ全巻読む!・買い物!ソファ・圧力鍋!チワワ・フラワーマーケット・北海道!温泉も!

メモをとるみっちゃん。それを笑顔で見る春也。


「いいよ全部やろう」

優しく答える春也。


「あとシカゴ!」

「シカゴ?」

「シカゴの交響楽団がすごいんだ。あと指揮者のムーティ。すごいんだ・・・」

「うん、行こう。」

嬉しそうにメモをとるみっちゃん。

しかし、春也の顔が曇る。


「やっぱりいい!シカゴはいい!」

「でも・・・」

「いいんだ!」


暗転

階段で語る春也。思い出してきても思い出せない肝心なこと。


「どうして俺は思い出せないんだ」

苦悩する春也。

そして、病院では春也の容態について話す院長。

聞く花ちゃん。

今すぐに手術しなければいけない状況。父に話さないといけない。


春也に話かける幼馴染の竜ちゃん。


「起きろよ起きろ!」

念力を送る。

春也も上で自分に念力を送る。

すると動く寝ている春也の手が動く。


調子に乗って念力を送る竜ちゃん。

階段の上の春也も念力を送り続ける。

盛り上がる竜ちゃん。春也も笑顔になる。

(緊迫した空気の中コントのような演出。)


しかし、院長に「うるさい」と怒られ、父に知らせに行っていた花ちゃんが戻ってくる。

父には電話が繋がらない。一刻を争う重苦しい雰囲気に戻る。


階段の上の春也がその光景を見て、震える。

「死にたくないよ・・・怖いよ・・・・」


暗転

下駄屋で下駄を作る春也。そこに一升瓶を持った父が帰って来る。


「またそんなの買って」

「おい、どこの木を使った?」

「倉庫にある奴だけど。」

「それはダメだ。少なくとも半年は乾かしたものでなければヒビが入る」

「そういうこともっと教えてよ」


父は無言のまま仕事に入る。

春也も無言のまま作業が止まり、決心をして父の前に土下座をする。


「俺を弟子にしてください。」

前とは違う下駄に対する思い。将来のことを話す春也。

「父さん、俺に対してまだ一度も”おかえり”って言ってくれないよね。」



「ピアノはもういいのか?」

その答えを避けるように再び下駄に対する思い、家の事を話す春也。しかし父は

「ピアノはもういいのか?」

少し声を荒げて再び言う。

「もういいんだよ!ピアノは。いいんだよ!」


やりたいピアノと違う。所詮は金だし。

金がないから止めたのか?仕送りしたじゃないか?

いや、違う。そういう金とかじゃなくて・・・

母さんがどんな思いで・・・どれだけ働いていたのか知ってるのか?お前のせいで病気に・・


衝撃的な事実に驚く春也。


父は母さんが応援するなら。春也のピアノが好きな母さんの思いを受け止めて応援してきたんだ。

それがどうだ?お前は大事なコンクールを投げ出してきて・・・どうなんだ?

それに対し春也も感情的になり、父さんも母さんの死から逃げている。酒に溺れている。

店のことも目を背けている。逃げているのは父さんだ!

俺が家を出ればいいんだろ?出て行くよ!

感情的なまま家を飛び出す春也。


それを見ていたみっちゃんも追いかける。

残された父は背中を丸め・・・・その背中を見つめる花。


「ねえ、春也。戻ろう」

「・・・・・・・」

「何があったの?大丈夫?」


父の言っていたコンクールの話をする春也。大事なコンクール。最後のチャンスと言われていたコンクール。しかし、自分の前の奏者の演奏を聴いて『負けると思った』と。その奏者は自分より全てが勝っている。演奏も技術も年齢も若い、ルックスも・・・怖い怖い怖い。

大きな拍手の鳴り続ける会場を・・何もなかったように逃げてきた。演奏をするよりもその場から逃げたほうがマシだと思って・・・。


「もうピアノはいいんだ!」

「本当に?」

「いいんだよ!」


「みっちゃん一緒に暮らそう。今日仕事している時、奥からみっちゃんの笑い声が聞こえた時に人と暮らすってこういうことなのかな?って思った。もうみっちゃんが居ることが自然なんだ」

「・・・」


春也はみっちゃんに抱きつく。

みっちゃんもそんな春也を受け入れる。

二人の顔が近づく・・・・しかし、何かを思ったように春也から顔を逸らしみっちゃんから離れる。


暗転


病院で春也の容態が急変する。

いますぐ手術をしなければいけない。

父は不安いっぱいの表情で院長に語りかける。


「春也は?アイツまでいなくなったら・・・本当はアイツに店を継ぎたいと言われた時嬉しかった。だけど、ピアノはいいと言うアイツの目が嘘をついていると分かったから。」


そんな父を階段から見つめる春也。


院長は今すぐ手術をしなければ命が危ない。同意書を・・と父に訴える。

しかし、命が助かったとしても元に戻れるのか?意識が戻ったときにアイツは苦しいだけじゃないのか?そう訴える父。


院長は静かに話す。

以前大きな事故に遭い、なんとか一命は取り留めた少年がいた。しかし、意識が戻ったとき家族は喜んでいたが少年はようやくの思いで一言ペンで文字を書いた。

『コロシテクレ』


しかし、その後も家族の支えによってつらいリハビリを繰り返し退院できるまでになった。

最後にお祝いってみんなでケーキを食べたんだ。そして、その少年に聞いたんだ。

「幸せか?」

「みんなでケーキを食べれて美味しい。幸せ。」


って。


同意書を再び父に渡す。しかし、サインできない父。


暗転


家を出る支度をする春也。それを一生懸命止めようとする花。しかし、春也は出て行ってしまう。


みっちゃんと待ち合わせの場所に向かう。

心配そうな心持で待っているみっちゃん。


「待った?行こうか?」

「本当にいいの?」

「いいんだ」


車に乗り込む二人。

「運転いいの?」

「うん、今日は私が!」

「ありがとう」


進む車。その中でどこに向かうのか聞く春也。

標識で行き先が”東京”と分かる。

「じゃあ、カレーに漫画喫茶もなんでもできるね!」

「うん、シカゴも!」

「シカゴ?」

「見つけたの。シカゴの交響楽団が来るの。指揮者もムーティ。」


曇る春也の表情。そして、言い合いになる二人。

みっちゃんは理想を押し付けすぎる。俺はもうピアノはいいんだ。

いいなんて思ってない。シカゴを聴いてもう一度気持ちの整理をして。

気持ちの整理なんて。それはみっちゃんの理想だろ!人に押し付けるなよ!


車を一度止め、話す。しかし、答えは出ない。

みっちゃんの見ているのは夢じゃない、妄想だ!


再び走りだす車。

「あっ」みっちゃんがつぶやく。


春也の表情がハッっとする。






激しい音。ブレーキ。何かが壊れる音。

そして、鳴り止まないクラクション。



ベットを見つめる春也。

「なんで、俺だけ・・・みっちゃんは・・・・」


バタバタと処置。そして、再び同意書を求める院長。

同意書にサインできない父。


「一緒にいた女の子即死だって。春也くんだけでも助けましょう。家族で、皆で支えれば春也くん元気になるから!」


うそだ、そんなみっちゃんが・・・・


「後悔はあと!あなた父親でしょう!」

説得する婦長。


同意書にサインをする父。そのまま運びこまれるベットの上の春也。



一人病室に残る春也。

みっちゃんが現れる。


「みっちゃん、みっちゃんはあの時もう・・・」

「春也ごめんね。あの時私・・・」

「ごめん、あの時ひどいこと言った・・・。」

「そうじゃないの。あの時私・・・・母を見つけたの・・・」

「・・・・・」

「対向車の助手席にに乗る母を。運転席には男の人。それに後部座席には子供が乗っていたわ。それに気をとられて運転を誤ってしまったの。」


「本当は私ずっと・・・・母に会いたかったの・・・」


一歩一歩階段を上がる春也。お互い手を伸ばし手を取り合う二人。


「戻って、春也。みんなのところに」

「みっちゃん一人逝かせられない。」

「お願い戻って」

「いやだ、君を一人にできない。したくない。」


ベットの春也に叫び続ける家族、幼馴染。
大ちゃんが花ちゃんに東京に行って欲しくない。町のいい所を話し出す。
町には皆がいる。春也がいる・・・・・・。

その声が二人にも聞こえる。




「春也・・お願い。」

「いやだ!」


「春也覚えてる?」


たくさんのメモがキラキラと降ってくる・・・・・


上を向く春也。そのメモを取り読み上げる


カレー

漫画喫茶

温泉

チワワ


その時ばかりは二人で夢を語った楽しい時間に戻ったようだった。


圧力鍋

フラワーマーケット

・・・・・・・・・・・・・・・・・・



シカゴ・・・・


「ねえ、春也。私の夢叶えて」

「夢・・・?」

「(メモを見せながら)このたくさんの夢。私の代わりに叶えて。たくさんの夢。千も万もの夢を見て。

幸せになって。それが私の・・・・・・夢」


泣き崩れる春也。


春也の心停止を知らせる音が鳴り響く・・・・


春也!お兄ちゃん!春也くん!

大きな大きな声で語りかける家族、幼馴染、院長、婦長。


「春也行って、お願い」


たくさんのメモを握り締め、みっちゃんを見つめる春也


「みっちゃん、俺・・・・行くよ。」

「うん」

「みっちゃん、また・・・・」

「うん、また・・・・」



ゆっくりゆっくりと自分に向かって歩きだす春也。





そして、自分の上に座り・・・自分になる。



暗転


春也の手が動く。

「春也!」

「春也くん、気がついたなら瞬きをして!」


瞼を動かす春也。

歓喜溢れる病室。


春也が人差し指を動かしている。


「何か字を書きたいんじゃないか?」


父が手のひらを春也の指に当てる。


『タ・ダ・イ・マ』



父が泣き崩れ、大きな声で春也に向かって


「おかえり!」



暗転、終幕



*******************************


これを書きながら思い出しては泣いてしまった。

少しでもこの素晴らしい舞台が伝われば嬉しいです。



 


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  • 2011.07.06 Wednesday
  • -
  • 03:06
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コメント
よくやった!
涙チョロリしたよ。


もう一度、あのチームを拝みたい!

ありがとー!!!伝わったかな?(ドキドキ)
思い出しては号泣。昨日の夜中はキーボードうちながら、おいおい泣くめんどくさい奴だった(ノд<。)゜。
もう一度、あの素晴らしい舞台の場へ行きたいね…
  • mint→ちゃん
  • 2010/05/15 5:59 PM
mintさん、こんばんは!
遅くにコメントしてごめんなさい(汗)

レポ、読ませていただきました。読んでいて、最後のほうは涙がたくさん溢れてきました。
温かくも切ない…。そんなお話だったんだなということが伝わってきました。
「君と見る千の夢」、このタイトルの意味がすごく込められている作品だなって。
このレポを読ませて頂いて、私の頭の中でだけど、春也やみっちゃん、お父さんや花ちゃんたちの動き、セリフが想像できました。
想像の中でなので、実際のものとは違うと思うんですけどね(笑)
でも、本当に素敵な舞台だったんですね。
その感動を私たちにも分けてくださって、本当にありがとうございました!
きのこちゃん、この長い長いレポもどきを読んでくれてありがとう。
素晴らしい舞台が伝わったかな?そして、想像で構成される舞台も素敵だと思う。そうやってきのこちゃんの心に刻まれたら嬉しいです♪(重いかしら?w)
本当に、一つ一つが大事に大事に作られていて、余分なものは何一つなくて、素晴らしい舞台だったよ。
きのこちゃんの言う通り、温かくも切ない・・・人間味溢れる物語でした。
拙い文章でよく分からない部分も多かったと思いますが、本当に読んでくれてありがとう。感謝します☆

全然関係ないのですが、勝手にきのこちゃんのブログを私のブログリストに載せてしましました。大丈夫かな?(ドキドキ)何かあれば遠慮なく言ってくださいね!!
  • mint→きのこさん
  • 2010/05/16 2:03 AM
ブログリストに載せて下さって、すごくうれしいです!
ありがとうございます♪♪
私もmintさんのブログをリンクさせて頂いてもいいですか?(*^_^*)
きのこちゃん、こんにちはっ(*^□^*)
リンクの件ありがとう♪♪ぜひぜひお願いします☆
とっても嬉しいですっ♪♪♪
  • mint→きのこさん
  • 2010/05/16 1:05 PM
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